コーチングの効果を劇的に高めたい方へ
コーチング用語を正確に理解できれば、コーチングの効果は段違いに高くなります。
たった一つの「言葉」がわからなかったために、全体が理解できなくなっていることがよくあるからです。
聖書の冒頭にも、こう書かれています。
はじめに言葉があった。言葉は神とともにあった。言葉は神であった。
ヨハネによる福音書1-1
コーチングセッションにおいても、クライアントの「言葉」の中に答えはあります。
クライアントの「言葉」をコーチが正確に理解できれば、それだけでクライアントには大きな影響が与えられます。
これは、本当の話です。
はじめまして。苫米地式コーチング認定コーチの渡辺です。
「36の用語で習得する苫米地式コーチングのエッセンス」は、コーチング用語を通して苫米地式コーチングを学ぶ用語集です。
コーチング用語をしっかりと理解することが出来れば、コーチングの効果が劇的に向上することを保証します。
あ行
クリックできる目次
- アティチュード
- アファメーション
- エフィカシー
- 置き換えの映像
- ゲシュタルト
- 現状の外側のゴール設定
- コンディショニング
- コンフォートゾーン
- スコトーマ
- セルフイメージ
- 支配的な映像
- 情動記憶(じょうどうきおく)
- 信念(ブリーフ)
- セルフエスティーム
- セルフトーク
- セルフレギュレーション
- 創造的回避(クリエイティブアボイダンス)
- 抽象度(ちゅうしょうど)
- 苫米地式コーチング
- ドリームキラー
- 内部表現(ないぶひょうげん)
- 認知的不協和(にんちてきふきょうわ)
- ハビット
- バランスホイール
- ビジュアライゼーション
- 変性意識(トランス)
- ホメオスタシス
- マインド
- 未来思考
- 未来の記憶
- リアリティー
- 臨場感
- ロックオン、ロックアウトの原則
- Have-to-goal ハフトゥーゴール
- Want to goal ウォントゥーゴール
- RAS(網様体賦活系)
アティチュード
「アティチュード」とは、無意識の判断のことを言います。
人は、今この瞬間にも様々な判断をしています。
その判断は、「無意識」に行われています。
アティチュードは、情動記憶によって作られます。
情動記憶とは、「強い感情を伴った記憶」のことです。
何かをやろうとした時に、その時の記憶が、「うれしい」「楽しい」「気持ちいい」などのプラスの記憶に結びついていると無意識のその選択を選びます。
その一方で「つらい」「苦しい」「悲しい」といった記憶に結びついている行動は、無意識のうちに避けようとします。
無意識の選択は、自動的に行われるので選択の余地はありません。
そのため、重要な情報でもそれが「イヤな記憶」に結びついていたらそれだけで避けてしまいます。
無意識の判断を変えるには、「新しいゴール」と新しいゴールに対する「プラスの記憶」を作ることです。
ゴールを達成するためのアティチュードが身に付けば、自動的にゴールが達成されることになります。
アファメーション
「アファメーション」とは、ゴールの世界の自分の姿の臨場感を上げるためのツールです。
「アファメーション」は、次の11のルールに従ってゴールの世界にいる自分の「セルフイメージ」を文章で記述します。
- 個人的
- 肯定的
- 現在形
- 達成を示す
- 比較しない
- 動作を表す言葉
- 感情を表す言葉
- 正確さ
- バランスをとる
- リアルなものにする
- 人には言わない
「アファメーション」として書いた文章を読み上げて、ゴールの世界にいる自分自身の姿や周囲の様子を映像として思い浮かべます。
そして、その映像に強い感情を感じることで無意識にゴールの世界の「セルフイメージ」を書き込んでいくことが出来ます。
「アファメーション」によって、現状よりもゴールの世界の自分の「セルフイメージ」が高くなれば、ゴールの世界に自動的に向かっていくことが出来ます。
エフィカシー
「エフィカシー」とは、「自己のゴールの達成能力の自己評価」です。
自分はどのくらいのゴールだったら達成出来るのか?
という自分の中で思っているゴール達成能力の度合いのことです。
どのくらいの事が出来るのかは、「エフィカシー」の高さで決まります。
人それぞれ、「エフィカシー」の高さは違います。
そのせいで、パフォーマンスに違いが出ます。
「エフィカシー」は、高めることが出来ます。
「エフィカシー」の評価の基準は、自己評価です。
そのため、いくらでも自分で「エフィカシー」を高めることが出来ます。
多くの場合、「自己評価」は過去の自分の記憶の中から他人から言われたことを自分で受け入れた結果です。
そのため、周りからの影響で自己評価が低くなりがちです。
でも、「エフィカシー」の高さは「自己評価」です。
他人の評価を一切無視して、自分で決めてもいいのです。
そして、そのことを他人に言わないことで「エフィカシー」の高さをキープすることが出来ます。
そうすることで、圧倒的にパフォーマンスを上げることが出来ます。
置き換えの映像
置き換えの映像とは、ブリーフ(信念)を変えるためにマインドの中に保存される新しい映像です。
人は、無意識の中に保存されている「支配的な映像」に大きな影響を受けています。
その「支配的な映像」に影響されて、「支配的な映像」に向かって突き進んでいます。
「支配的な映像」とは、無意識の中にある最も臨場感を強く感じている映像のことです。
多くの場合は、「失敗の記憶」や「他人からの働きかけ」の結果生まれた「支配的な映像」が無意識に刷り込まれています。
そのために、多くの人はパフォーマンスが本来持っている能力よりも低い状態になっています。
それを防ぐには、「支配的な映像」を「置き換えの映像」に置き換える必要があります。
この「支配的な映像」を置き換えるための新たな映像を「置き換えの映像」といいます。
か行
ゲシュタルト
「ゲシュタルト」とは、部分と全体がお互いに影響しあって出来ている「一つのまとまりのある構造」です。
人に当てはめると、統合的な人格が「ゲシュタルト」です。
人は、潜在的には複数の「ゲシュタルト」を持つことが出来ます。
人には、様々な一面があります。
- 親切
- 不寛容
- 行動的
- 引っ込み思案
- 大胆
- 臆病
それぞれの「ゲシュタルト」が統合されて一つの人格が出来ています。
そして、その人が置かれた状況によって表に出てくる人格は常に変わります。
人は、無意識的には複数の「ゲシュタルト」を持つことができます。
でも、表に出てくる「ゲシュタルト」は一つだけです。
もっとも臨場感の高い「ゲシュタルト」が選ばれます。
ゴールを設定し、ゴールの世界の臨場感が現状よりも高くなれば、ゴールの世界の「ゲシュタルト」が選ばれます。
そうすると、「ホメオスタシス」の働きでゴールの世界の「ゲシュタルト」を維持するために「エネルギーと創造性」が生まれ、やがてゴールが達成されます。
現状の外側のゴール設定
「現状の外側のゴール設定」とは、現状のコンフォートゾーンの外側にゴールを設定することです。
「現状のコンフォートゾーン」とは、慣れ親しんだ場所のことです。
- 現状の人間関係
- 好きなこと
- 嫌いなこと
- 職業
- 現状の経済状態
など、自分が現状において重要だと感じている関係性生み出している空間です。
「現状の内側のゴール」とは、このような現状を最適化させるようなゴールです。
「現状の最適化のゴール」は、一見よさそうですが、現状に縛り付けられてしまうという欠点があります。
人の無限の可能性は、「現状のコンフォートゾーン」の外側にあるからです。
「現状の外側」にゴールを設定した結果、スコトーマが外れ、今まで見えなかったゴールの達成方法が見えてきます。
ゴールを達成するために、今まで自分が「重要だと思っていたこと」や「重要な関係性」が変わり、ゴールに関係あることの方が重要になっていきます。
現状のコンフォートゾーンの外側にゴールを設定することで、自分の中にある無限の可能性を見つけていくためのツールとして「現状の外側のゴール設定」があります。
コンディショニング
「コンディショニング」とは、事前に行われている条件付けのことです。
条件付けは、過去の経験からの場合もあれば、他人から言われて自分が受け入れたことの場合もあります。
たとえば、
- 親や先生の言うことは正しい
- お金が一番大事
- 就職したら生活が安定する
- 結婚したら親が安心する
など、必ずしも正しいとは言えない価値観に従って行動することになります。
「コンディショニング」によって、一旦そうだと思い込んでしまうとそれ以外のことが見えなくなってしまうのです。
ということは、現状とは「コンディショニング」の結果ということになります。
人は、何かを認識するときは事前になされている条件付けに大きな影響を受けます。
行動も「コンディショニング」に従ったものになります。
一人一人の「コンディショニング」も違います。
そのため、自分が当たり前だと信じている価値観は「コンディショニング」の結果で、自分自身で決めた価値観ではないのかもしれないと疑ってみることが大切です。
コンフォートゾーン
「コンフォートゾーン」とは、慣れ親しんだ自分の実力がいつも通りに発揮できる領域です。
つまり、自分が今、置かれている現状こそが「コンフォートゾーン」です。
「コンフォートゾーン」は、セルフイメージが決めています。
セルフイメージは、その人にとって重要だと思っているもので出来ています。
だから、「コンフォートゾーン」もその人ににとって重要なものの集まりです。
人は、「コンフォートゾーン」の中にいれば安心していられます。
リラックスして、自分の実力が発揮できます。
よって、人は「コンフォートゾーン」の外側に出ることを避けようとします。
もしも、「コンフォートゾーン」の外側に出ようとしたら無意識の働きで「コンフォートゾーン」の中に戻ろうとします。
それは、「ホメオスタシス」の恒常性維持機能の働きです。
「コンフォートゾーン」の外側に出ると、人は緊張して記憶が妨げられ、パフォーマンスも下がります。
そのため、パフォーマンスを上げるためには「コンフォートゾーン」を上げる必要があります。
「コンフォートゾーン」は、「セルフイメージ」で決まるので「セルフイメージ」を高める必要があります。
- 自分はどんな人間なのか?
- 自分はどれだけのことができるのか?
といった自己評価を上げることで、セルフイメージを上げることが出来ます。
他人からの評価を一斉無視して、「自分は重要で価値のある人間だ」と確信することが大切です。
そのための技術が「アファメーション」や「ビジュアライゼーション」です。
さ行
スコトーマ
「スコトーマ」とは、目の前にあるのに認識できていないもののことを言います。
もともとは眼科の用語です。
私たちは、目の前にあるものはすべて見えていると思っているかもしれませんが、実はそうではありません。
目の前にあるものの中でも認識できているものはほんのわずかです。
それは、脳の基底部という部位にあるRAS(網様体賦活)の働きです。
RASは、五感からもたらされる情報の中で自分にとって重要な情報だけを意識に上げさせる働きをしています。
五感からの情報をすべて処理すると、脳は膨大なエネルギーを消費してしまい、人はすぐに餓死してしまいます。
そのため、ほんのわずかな情報しか意識に上がらないようになっています。
そのため、自分にとって重要だと感じていないものは、「スコトーマ」になってしまいます。
しかし、私たちの新たな可能性はこの「スコトーマ」の中に隠されています。
全ての人には「スコトーマ」があります。
ということは、すべての人に無限の可能性が秘められているということになります。
スコトーマを外すには、ゴールを設定して、そのゴールに従って自分にとって重要なものを変えることです。
そうすると、今まで「スコトーマ」になっていた情報が認識できるようになります。
そのためには、自分には「スコトーマ」があるということに自覚的になることが重要です。
セルフイメージ
「セルフイメージ」とは、自分が自分に対して抱いているイメージです。
例えば、自分はこういう人間だ。
というような、自分に対するイメージです。
「セルフイメージ」には、他人から自分はこう思われているに違いないと認識している自己像も含まれます。
「セルフイメージ」は、「セルフトーク」から生まれます。
「セルフトーク」とは、頭の中で行われる内省的な自己対話です。
「セルフトーク」の多くは、他人からの働きかけから生まれるため、ネガティブなものになることがあります。
そのため、「セルフイメージ」を変えるために「セルフトーク」をコントロールする必要があります。
ポジティブな「セルフトーク」を心掛けることで、「セルフイメージ」もポジティブなものになります。
「セルフイメージ」が「コンフォートゾーン」の範囲を決めています。
「コンフォートゾーン」とは、その人が快適でいられる領域、つまりその人の「現状」です。
「現状」を変えるためには、「セルフイメージ」をポジティブなものに変える必要があります。
そうすることで、「コンフォートゾーン」が変わりパフォーマンスを上げることが出来ます。
支配的な映像
人は無意識の中に「支配的な映像」を持っています。
「支配的な映像」とは、自分が無意識に目標としている映像のことです。
人には目標に向かっていくという習性があります。
そして、いつもその目標物を探しています。
その目標になるのが「支配的な映像」です。
臨場感を最も感じているセルフイメージは、「支配的な映像」になって行動の基準になります。
人は「支配的な映像」に向かって行動します。
「支配的な映像」を変えない限りは、今のパフォーマンスがずっと続くことになります。
未来を変えるためには、「支配的な映像」に変わる「置き換えの映像」が必要になります。
情動記憶(じょうどうきおく)
「情動記憶」とは、強い感情を伴った過去の記憶です。
「情動記憶」には、失敗の体験だけでなく成功体験も含まれます。
- うれしい
- 楽しい
- 気持ちいい
- 悲しい
- 辛い
- 痛い
といった強い感情を伴った過去の出来事の記憶を「情動記憶」と言います。
「情動記憶」は、無意識の行動や無意識の選択の元になっています。
無意識の判断を変えるためには、ゴールを設定する必要があります。
ゴールを達成した時の「情動記憶」(未来の記憶)をつくることで、過去の「情動記憶」よりも未来の記憶の臨場感を高めることが出来れば、無意識の判断や行動を変えることが出来ます。
信念(ブリーフ)
「信念」(ブリーフ)とは、その人が「こうあるべきだ」と信じていることです。
「信念」は、情動記憶によってつくられます。
- 自分が過去に体験した時に感じた強い情動
- 過去に他人から言われて自分で受け入れたこと
の両方が「信念」を形成する情動記憶となります。
たとえば、「コーヒーを飲むのは避けた方が良い」という「信念」を持つ人は、
「過去にコーヒーを飲んで、実際に苦くて嫌な体験をした」
という、自分が直接的に体験した記憶。
「コーヒーにはカフェインが入っているから体に悪い」
という風に、お母さんから言われてそれを自分でそれを受け入れた。
その結果、コーヒーを飲まないという「信念」が生まれるという2つのパターンがあります。
「信念」は、無意識の行動や選択に大きな影響を与えます。
人は、自分の中に様々な「信念」を持っています。
それらの「信念」が集まってブリーフシステムが生まれます。
セルフエスティーム
「セルフエスティーム」とは、自分のゴールの壮大さに対する自己評価です。
「私のゴールは、とても抽象度が高い」
「たくさんの人にとって役に立つことが出来そうだ」
といった具合に、しみじみと自分のゴールの凄さを自分で感じることで自己評価を上げていきます。
これはあくまでも自己評価なので、他人からの評価は関係ありません。
他人と共有する必要はなく、自分の中だけで自分の持つゴールの凄さをしみじみと味わいます。
「セルフエスティーム」には、社会的に地位や収入は一切関係ありません。
自分の意志で設定したゴールが、どれだけ多くの人のために役に立ちそうかが重要です。
そうすることで自分の中の真実が変わり、それはやがて外に広がっていきます。
そのためには、「エフィカシー」の高さが必要になります。
「エフィカシー」とは、自己のゴールの達成能力の自己評価です。
自分には絶対にできるという確信です。
「エフィカシー」を高める技術には、アファメーションやビジュアライゼーションがあります。
セルフトーク
セルフトークとは、自分で自分に語り掛ける内省言語です。
頭の中で行われる自己対話は、ネガティブなものになりがちです。
それは、過去の記憶の中でネガティブな記憶ばかりが残りがちだからです。
ネガティブな記憶を何回も思い出すと、それと同じ体験を何回もしたのと同じ効果が無意識の中では発生しています。
その結果、ネガティブなセルフイメージが作られます。
セルフイメージは、セルフトークを繰り返すことで無意識に蓄積され長い時間をかけて作られます。
ネガティブなセルフトークをするたびに、ネガティブな情報を無意識に書き込んでいくことになります。
ということは、セルフトークをポジティブなものにしていくようにコントロールすることで、ポジティブな情報を自分の無意識に書き込んでいくことも可能です。
- 「私は重要で価値のある人間だ」
- 「私は、私にとって大切な人から尊敬されている」
- 「私が話をするとみんなが耳を傾けてくれる」
- 「私は価値のある物をすべての人に対して提供することが出来る」
このようなセルフイメージを書き込んでいくことも可能です。
セルフイメージはセルフトークから生まれます。
このように、自分の意志で設定したゴールを達成するためにふさわしい自分の姿を何回も繰り返して書き込んでいくのが「アファメーション」です。
セルフレギュレーション
「セルフレギュレーション」とは、信念を基準とした自己調整機能です。
人は、自分が信じていること以上のことは出来ません。
自分にはできないと思うことを無理やりやろうとすると、「セルフレギュレーション」の働きですぐに元に戻されてしまいます。
「「セルフレギュレーション」とは、人に生まれつき備わっている「ホメオスタシス」(恒常性維持機能)の働きです。
人は、信念(自分にはこれだけのことが出来る)を基準にして、それを上回っても下回ってもセルフレギュレーション(自己調整機能)が働いて、元の基準に戻そうとする働きがあります。
そのため、「自分にはこれだけの事ならできる」という「信念」の基準を上げる必要があります。
「ホメオスタシス」の「セルフレギュレーション」の働きで維持されている現状の事を「コンフォートゾーン」と言います。
創造的回避(クリエイティブアボイダンス)
創造的回避(クリエイティブアボイダンス)とは、やりたくないことから逃れるための方法を想像力を使って生み出し行動しようとすることです。
- やりたくないことをしなければならなくなった時
- コンフォートゾーン(自分にとって慣れ親しんだ領域、現状)の外に出た時
に起こる逃避的行動です。
人は、情動記憶(強い感情を伴う記憶)の影響を受けて、無意識内に創造的回避に向かいます。
人は、過去の楽しい思いに結びつく行動を選択し、いやな記憶に結びつく行動をクリエイティブに理由を見つけて避けようとします。
物事を先延ばしにしたり、何らかの理由をつけてやらなかったりします。
このような、創造的回避を繰り返すうちに無意識の中に蓄積されて、ハビット(無意識の行動)アティチュード(無意識の選択)が」形成されます。
た行
抽象度(ちゅうしょうど)
抽象度とは、物事を抽象化する度合いのことです。
抽象の反対は、具体です。
抽象度を上げれば上げるほど、具体性は下がります。
そのぶん潜在的に持っている情報量は増えていきます。
たとえば、犬と猫を抽象度を上げてみると哺乳類という風に見ることが出来ます。
そうすると、犬と猫以外にも人間などより多くのものが含まれるようになります。
このように、抽象度を上げるということは具体性は下がりますが、潜在的に含まれる情報量は増えていきます。
抽象度とは、物事を見る時の視点の高さとも言えます。
自分→日本人→地球人→宇宙人という具合に、視点の高さを変えて物事を観ることが出来ます。
自分という視点の高さで物事を見る場合と日本人という視点で物事を見る場合とでは、見え方が違ってきます。
抽象度を上げて物事を見る利点は、自分というしがらみから自由になって物事を観ることが出来るということです。
ゴールを設定するときは、抽象度を上げて設定する必要があります。
そうすることで、自分の中に眠っている才能や可能性を見出すことが可能になります。
自分以外の人の幸せを考える社会性の高いゴールの世界の自分をイメージすることで、人生を変えていくことが出来るからです。
苫米地式コーチング
苫米地式コーチングは、苫米地博士とルー・タイスが共同で開発した「TPIE」という能力開発プログラムを実践的に活用するために考案されました。
本来、自分が達成するゴールにとって重要な事だけを見つめ、資本主義の系から一つ飛び出したところにある「無限の力を持つ自分」を見出そう、そして、最高の自分を見つけるためには、常に自分の在るべき姿をイメージしておかなければならない。
苫米地式コーチング
という視点に立って作られています。
ドリームキラー
「ドリームキラー」とは、夢を実現しようとするのを妨げる人のことです。
夢を実現しようとする人の過去の実績に基づいて、将来を予測して「君には無理だ」「あきらめた方が良い」などの助言をしてくる人を「ドリームキラー」と言います。
たとえば、身近にいる人で影響を与えやすい人、
- 両親
- 先生
- 友人
- 配偶者
- 上司
などは、ドリームキラーになりやすい人達です。
なぜ、ドリームキラーが生まれるのか?
彼らは、コンフォートゾーンの外に出ようとする人を見ると居心地が悪く感じるからです。
彼らには、彼らのコンフォートゾーンがあります。
彼らの現状を維持するために、彼らのコンフォートゾーンから抜け出そうとする人を見ると無意識的に邪魔しようとするのです。
ドリームキラーには、悪気はなく無意識的な行動の結果として「君には無理だ」などの助言をしてくるのです。
その反対に、夢の実現を助けようとする人を「ドリームサポーター」と言います。
可能性を信じ、応援してくれる人、さらに高い目標を持たせてくれる人は、ドリームサポーターです。
こーちは、クライアントにとってドリームサポーターの一人です。
な行
内部表現(ないぶひょうげん)
内部表現とは、私たちが見ている世界そのものです。
私たちが見ている世界は、視覚を通して光が受容され、脳の視覚野で神経が活性化し、それが脳の各部位で認識されることで作られています。
つまり、私たちが見ている世界は脳というフィルターを通して認識しています。
- 目の前の風景
- 家族、友人
などは、内部表現の一部として認識されています。
内部表現には、物理的な情報だけでなく
- 好きなもの
- 嫌いなもの
- 大切なもの
などの心理的な情報も含まれます。
つまり、私たちの目の前の風景は、人それぞれに持っている重要性に基づいて異なって認識されている内部表現の世界ということです。
私たちの「マインド」が認識している世界そのものが「内部表現」です。
「マインド」とは脳と心の両方を指します。
脳と心は、表現するときの抽象度が違うだけで実際は同じものです。
そのため脳と心をセットにして「マインド」と呼んでいます。
認知的不協和(にんちてきふきょうわ)
認知的不協和とは、自分の中にある真実と外側にある真実に差がある時に起こる不快な感情。
または、不快な感情をどうにかして元に戻そうとする心理状態のことです。
自分の信じている事と違う意見を言う人を見ると不快な気持ちになるのは、認知的不協和が起きたためです。
その不快感を解消するために、人は「自分の意見を変える」か「相手の意見を変える」かのどちらかを選択することになります。
あるいは、その人のことを無視するという場合も多いと思います。
そうすることで、自分の内と外の真実が一致して、認知的不協和による不快感や緊張感は解消します。
「認知的不協和」の働きでゴールを達成するためのエネルギーと創造性を生み出すことも出来ます。
ゴールを設定することで、現状よりもゴールの世界の自分の姿に対する臨場感を上げていきます。
すでにゴールを達成した自分として今を生きると、認知的不協和が起こります。
すでにゴールが達成されているはずなのに、目の前の現実は何も変わっていないからです。
そうすると、その不協和を解消するために無意識が活発に働き、ゴールを達成させるように働くのです。
その時に重要なことは、ゴールを下げて現状に合わせないことです。
ゴールを絶対に下げないでゴールをすでに達成した自分として生きることで、ゴールに向かうためのエネルギーと創造性が生まれるのです。
は行
ハビット
ハビットとは、無意識の行動のことです。
無意識にいつも通りにやっている行動です。
無意識任せで行動をしていると、何も考えなくてもいいので楽ですが、一生今のままの行動がキープされてしまいます。
そうなると、今のパフォーマンスを良くすることが出来ません。
ハビットを変えない限り、達成できるものを変えらないのです。
ハビットを変えるには、
- ゴールを設定する
- すでにゴールを達成した自分を想定する
- ゴールの世界の自分はどんなハビットを持っているか考える
- 新たなハビットを獲得する
- ゴールを下げずに維持する
ということが必要になります。
バランスホイール
「バランスホイール」とは、人生の各方面にバランスよくゴールを設定するためのツールです。
幸福な人生にするためには、ある特定のゴールだけではなくいくつかのゴールを設定する必要があります。
そうすることで、よりゴールを達成しやすくなります。
「バランスホイール」に従って、まだ設定していない分野にゴールを設定していきます。
- 仕事
- ファイナンス
- 趣味
- 家庭
- 健康
- 社会貢献
- 生涯教育
などの各分野にゴールを設定していきます。
それぞれのゴールに対して、自分のあるべき姿を「アファーメーション」という文章にして読み上げていきます。
そうすることで、ゴールの世界の「自分の在り方」に対する臨場感が上がり、ゴールを達成しやすくなります。
ビジュアライゼーション
「ビジュアライゼーションと」は、想像力を使って心の中にイメージを思い描くことです。
事前に「ビジュアライゼーション」をすることで、馴染みのない事でも馴染みのある事にすることが出来ます。
たとえば、ピアノの発表会がある場合、事前にリラックスして演奏をしている自分の姿を細かく鮮明に何回もイメージしておくことで、本番でもそのように演奏することが出来ます。
無意識は、現実の物かイメージした物かの区別をせず、臨場感がある物にたいして「リアリティー」を感じます。
「リアリティー」とは、その人が臨場感を感じているイメージの事です。
それを利用して、無意識の中に新たな「リアリティー」を作る技術が「ビジュアライゼーション」です。
たとえば、ゴールの世界はまだ達成されていないものなので、ビジュアライゼーションを使って無意識にゴールの世界のリアリティーを作ります。
事前に何回もイメージすることで、ゴールの世界が慣れ親しんだものになります。
現状よりもゴールの世界の方が居心地がいいと、無意識は感じるようになります。
そうすると、ゴールの世界を現実化するために、無意識はクリエイティブに働いてゴールに向かって行動を促して、自然とゴールに向かっていくようになります。
変性意識(トランス)
「変性意識」とは、臨場感を感じている場所が、物理的な現実世界ではなく仮想空間にあることを言います。
深い変性意識の事を、「トランス」と言います。
これは、物理空間よりも仮想空間に対する臨場感が高くなった時の状態です。
わずかでも物理空間以外に臨場感を感じたら、「変性意識」です。
たとえば、会話をする時に相手の話を聞いている時は、相手の言葉の世界に臨場感を感じているので変性意識状態です。
少しでも、何かを考えたときは「変性意識」状態です。
つまり、私たちは常に「変性意識状態」です。
私たちにとって、「変性意識状態」が通常の状態です。
例えば、映画を見ているときは「トランス状態」です。
- テレビ
- 漫画
- 小説
に集中しているときも「トランス状態」です。
物理的現実世界よりも仮想空間の臨場感が高くなっているからです。
ホメオスタシス
「ホメオスタシス」とは、恒常性維持機能です。
生体が生き永らえるために安定な状態を維持させようとする働きの事を「ホメオスタシス」と言います。
たとえば、
- 扱ったら汗をかいて体温を下げる
- 寒かったら体が震えて体温を上げる
という具合に、環境に対応して安定している状態を維持する機能です。
- 呼吸
- 心拍
- 自然治癒力
なども「ホメオスタシス」の働きです。
「ホメオスタシス」は、物理的現実世界に対してだけでなく、仮想空間でも機能します。
- 映画を見て感動する
- 小説を読んで涙を流す
などの仮想空間でも機能します。
「ホメオスタシス」は、最も臨場感を感じている「コンフォートゾーン」(現状)を維持するような働きをしまます。
たとえば、現状の外側に出たとき元に戻そうとするのも「ホメオスタシス」の働きです。
「現状の自分」よりも「ゴールの世界の自分の姿」に対しての方が臨場感が高くなると、「ホメオスタシス」の働きで、行動が促され自然とゴールに向かっていくことが出来るようになります。
ま行
マインド
「マインド」とは、脳と心のことです。
脳の情報処理現象を心といいます。
物理的な脳と情報的な心は、表現するときの抽象打の違いで、実際は同じものです。
そのため、脳と心を分けることなく、「マインド」と呼んでいます。
人の活動はすべて「マインド」が使われています。
得たい結果を得るためには、マインドの使い方がとても大切です。
コーチングとは、マインドを上手に使う技術です。
そして、コーチはマインドの上手な使い方を教えてくれる人のことです。
未来思考
「未来思考」とは、未来を基準にして考えるということです。
時間は未来から現在、そして過去に流れているという認識のもとに、未来を基準にして物事を考えます。
未来を基準に考えるとは、未来の出来事がマインドの中ではすでに起こっていると考えるということです。
未来の出来事をあたかも今起こっているように語ります。
でも、現状を見るとまだ何も起きていません。
自分の内側と外側に違いが生じ、「認知的不協和」が起こります。
そうすると、現状に不満を感じるようになり、秩序が崩れ、未来の出来事に合わせて新しい秩序を作るためのエネルギーと創造性がマインドの中で生まれます。
そうすることで、自然とゴールに向かって進んでいくことができます。
過去を基準にして考える「過去思考」でゴールを設定すると、現状維持のゴールになってしまいます。
現状の延長線上の未来ではなく、新しい未来を切り開くためには「未来思考」が必要になります。
未来の記憶
「未来の記憶」とは、ゴールを達成した時の「セルフイメージ」です。
ゴールを達成した時には、
- どのような仕事をしているのか?
- どんな人と付き合っているのか?
- どんな場所に住んでいるのか?
- どんな会話を交わしているのか?
というようなゴールの世界の「自分の姿」を細かく描いていきます。
ゴールを達成した時の「セルフイメージ」の臨場感が、現状の自分のよりも強くなれば、無意識の中ではゴールの世界の自分が選択されて、自然とゴールに向かっていくことが出来るようになります。
ゴールに対する重要性が現状よりも高くなると、「無意識の行動や選択」がゴールを達成するためのものに変わります。
- 今まで見ていたテレビを見なくなった
- 食事の内容が変わった
- 運動する習慣がついた
- 今まで読まなかったジャンルの本を読むようになった
など、「無意識の判断や選択」が、ゴールを達成するためのものに変わっていきます。
「未来の記憶」の臨場感を上げるためには、過去の記憶を利用します。
ゴールを達成した時の「セルフイメージ」を、想像力を使って何回も繰り返しイメージします。
その時に、過去に経験した「うれしい」「楽しい」「気持ちいい」記憶を思い出しながらイメージします。
そうすることで、ゴールの世界の自分に対する臨場感が上がり、「無意識の行動と判断」を味方にして自然とゴールに向かっていくことが出来るようになります。
ら行
リアリティー
「リアリティー」とは、その人にとって真実だと認識していることです。
その人にとって臨場感を感じている世界がリアリティーです。
「リアリティー」は、過去の記憶から生まれます。
- 実際に自分で体験したこと
- 他人から言われたこと
などの記憶を通してその人にとってのリアリティーは生まれます。
たとえば、
- 過去の経験から、自分は「成功する人間」だと確信している
- あなたは「成功する人間」だと周りの人から言われていた
その人が臨場感を感じていれば、実際に「成功する人間」になります。
認知科学以降は、リアリティーに対する考え方が変わりました。
以前は、物理的現実世界のことを「リアリティー」と呼んでいましたが、仮想空間でも本人が臨場感を感じていたら「リアリティー」というようになりました。
私たちの目の前の世界は、五感を通じて脳に情報が送られて情報処理されたものです。
本人にとって重要だと感じているものだけが意識に上がるような認識の仕方をしています。
そのため、同じものを見ても人によって見えているものが違います。
つまり、目の前の世界は人によって認識しているものが違う「仮想空間」なのです。
そのため、認知科学以降は「物理的現実世界」も「仮想的空間」も本人が臨場感を感じていれば「リアリティー」というようになりました。
臨場感
「臨場感」とは、まるでその場にいるような感覚のことです。
人は、「物理空間」だけでなく映画や小説などの「仮想空間」にも「臨場感」を感じることが出来ます。
その人が臨場感を感じている世界がリアリティーです。
人が、リアリティーを感じている環境に対して「ホメオスタシス」が働いています。
「ホメオスタシス」とは、恒常性維持機能のことです。
例えば、小説を読んで涙を流すのは小説の世界という「仮想空間」に臨場感を感じ、「ホメオスタシス」が働いたからです。
涙を流すということで、高揚した精神を鎮め通常の精神状態に戻そうとする働きかけをしたのです。
人は、「コンフォートゾーン」に対して「ホメオスタシス」を働かせます。
「コンフォートゾーン」とは、慣れ親しんだ世界のことです。
そういった意味では、現状がどのような状態でも「コンフォートゾーン」です。
それに対して、ゴールを設定することでゴールの世界の「コンフォートゾーン」を作り、それが現状の「コンフォートゾーン」よりも臨場感が強くなれば、ゴールの世界の「コンフォートゾーン」にホメオスタシスが働いて、自然とゴールに向かっていくことが出来るようになります。
そのために必要なことは、ゴールの世界の臨場感を現状よりも強く鮮明に感じ時ることです。
そのための技術として。「アファメーション」や「ビジュアライゼーション」があります。
ロックオン、ロックアウトの原則
ロックオン、ロックアウトの原則とは、一つのことに集中すると他の物事が見えなくなってしまうことを言います。
- あることに集中している状態を「ロックオン」
- あることに集中して他のものが見えなくなっている状態を、「ロックアウト」と言います。
一つのことに集中することは、何をやるにしても大切です。
物事が効率的に進みます。
その反面、そのことしか見えなくなってしまうことにもなります。
人は、多くの場合「ロックオン」している対象は、他人から重要だと思わされたものです。
- テレビ
- 雑誌
- ネット
- 他人から言われたこと
などの自分以外からの働きかけが原因で「ロックオン」する対象が決められています。
そうすると、他人からの指示を忠実に守るだけの人生になってしまいます。
だから、
- 何に「ロックオン」しているのか?
- なぜ「ロックオン」しているのか?
がとても重要になってきます。
「ロックオン」する対象は自分の意志で決める必要があります。
重要なのは、自分が「ロックオン」する対象は、自分が設定するゴールによってコントロールすることです。
ABC
Have-to-goal ハフトゥーゴール
「Have-to-goal」ハフトゥーゴールとは、他人から強制されて設定したゴールのことです。
- 他人から直接的に言われて設定したゴール
- 周りの人がそうだからという理由で設定したゴール
などは、「Have-to-goal」です。
「Have-to-goal」に従うと、やりたくないことをしなければならなくなります。
そのベースにある感情は、
- やらなければ怒られそうだから
- やらなかったら首になるから
といった恐怖心です。
無理やりやろうとすると、創造的回避(クリエイティブアボイダンス)が起きて、クリエイティブに先延ばしをしたり、やらなくてもいい方法を作り出します。
恐怖が原因で起こす行動は、クリエイティブになることが出来ません。
例えば、学校の先生が怖いから宿題をやらなければならないから宿題をやる。
といった経験をした人は多いと思います。
多くの人がそれが当たり前のことだと「Have-to-goal」を受け入れてしまっています。
人が本当の意味でクリエイティブになれるのは、心からやりたいことをやっている時です。
コーチングでは、マインドの上手な使い方の一つとして、心からやりたい事「Want to goal」をゴールとして設定することが原則になっています。
Want to goal ウォントゥーゴール
Want to goal ウォントゥーゴールとは、自分の意志で設定した心から達成したいと思えるゴールのことです。
ゴールは、現状の外側に心からやりたいことを設定するのが原則です。
Want to goal ウォントゥーで設定したゴールを達成するためにやることは、すべてやりたいことになります。
生産性を高めるためには、やりたいこと以外はやってはいけません。
やりたくないことを無理やりやると、自尊心が傷つけられ、体の調子も悪くなります。
アクセルを踏みながら同時にブレーキも踏んでいるような状態になってしまいます。
設定するゴールがすべてやりたいことになれば、人生はすべてWant to なものになります。
RAS(網様体賦活系)
RAS(ラス)とは、日本語では網様体賦活系と言われます。
脳内の活性化ネットワークのことです。
五感から入ってくる情報の中から重要な情報だけを通すフィルター機能を果たしています。
目の前にあるすべての情報の中で意識に上がる情報はほんの僅かです。
それは、RASが重要な情報だけを意識に上げさせる働きをしているせいです。
重要だと判断されなかった情報は、意識に上がらずにスコトーマ(心理的な盲点)が出来てしまいます。
わたしたちの新たな可能性は、スコトーマの中に隠されています。
そのため、ゴールを設定することで自分にとって重要なものを変える必要があります。
そうすることで、目の前の世界は変わり、現状維持ではない新しい未来に向けて歩んでいくことが出来るようになります。